【経験談】海外駐在のつらい時期を凌ぐために知っておくべき3つのこと

海外生活のTips
海外生活のTips

憧れだった海外赴任を実現したものの、理想と現実のギャップに直面して思い悩む時期というのは誰しも経験するもの。しかし駐在初期のしんどさ・つらさは想像以上で、自分ひとりでは対処できないことも多いです。

皆さんは現在こんな悩みを抱えていませんか?

  • あらゆることが思い通りに進まず、対処できないほど強いストレスを感じる。
  • 赴任先が好きになれず、このまま数年間を過ごすことに絶望している。すぐに帰りたい。
  • 仕事で思うように実力を発揮できない自分を受け入れられず、自己嫌悪に陥っている。

他でもない僕も、海外赴任したての頃に心が折れる寸前まで追い込まれて苦しんだ経験があります。そんな苦しい時期を乗り越えて、今では海外駐在をエンジョイできるようになった僕が海外駐在のつらい、帰りたい時期を乗り越えるための3つの思考についてご紹介したいと思います。

✓この記事でお伝えしたいメッセージ

  • 学者も認める、つらい時期は誰しもが通る道
  • 頑張り屋ほどつらいもの
  • 6割できれば100点

それでは一つずつ見ていきましょう。

1. 学者も認める、つらい時期は誰しもが通る道

皆さんが今直面している困難というのは、「異文化適応のUカーブ」や「Wカーブ」などとして、学者によって理論化されているものです。

異文化適応のUカーブについて説明した折れ線グラフ
ノルウェーの社会学者リスガードによって提唱された”異文化適応のUカーブ”
(Lysgaard, S. (1955). Adjustment in foreign society: Norwegian Fullbright grantees visiting the United States. International Social Science Bulletin, 7, 45- 51. より引用、一部改変)

これによると、人は異文化に適応していく際に4つの段階を経ると言われています。

異文化適応の4段階
  1. ハネムーン期
    …あらゆるものが新鮮に感じられ、常にワクワクした気分で楽しく過ごす時期。浮足立って必要以上に活動的になりがち。
  2. カルチャーショック期
    …初期の興奮が徐々に落ち着き、異文化のネガティブな側面が見え始め、些細なことでもフラストレーションが溜まる時期。蓄積した疲れやストレスが一気に出始めて不適応を起こす。
  3. ユーモア期
    …言語や文化への理解が少しずつ進み、異文化をありのまま受け入れることができ、再び適応を開始し始める時期。
  4. 適応期
    …適応がほぼ完了し、不安やストレスなく生活を送り、仕事で本来の実力を発揮し始める時期。

如何でしょう。恐らく皆さんはハネムーン期を終え、今まさにカルチャーショック期を経験している段階ではないでしょうか?

ただ、自分を責める必要はありません。理論化されている通り、人間が異文化に適応していく場合にはどんなスーパーマンでも経験する段階なので、「そういうもんなんだ」とあまり重く考えすぎないようにしてみてください。

また、自分の経験からも断言しますが、カルチャーショック期には絶対に終わりが来ます。永遠に出口の見えないトンネルを歩んでいるわけではないので、安心してくださいね。

2. 頑張り屋ほどつらいもの

もしかすると、周りには異文化にさらっと馴染んでいって最初から楽しめるような人もいるかもしれません。そんな人を見るとますます「適応できない自分がおかしいのではないか」と考えてしまいがちですが、それは違います。

気配りができ、協調性と責任感がある人、頑張り屋な人ほどつらさやストレスを感じやすく、良い意味で適当な人、大雑把な人、楽観的な人ほどストレスを感じにくいもの。これはどちらが良い悪いという優劣の話ではなく、単にタイプが違うというだけの話です。

僕は心配性で気にしいな性格なので、些細なことでもストレスを感じやすいタイプです。しかしそんな僕でもカルチャーショック期を凌ぐことができてからは、きちんと環境適応することができました。

あなたがもし現在進行形でどうしようもないストレスを抱えていたとしても、きっと適応できるので悲観しすぎないようにしてください。

夜明け前が一番暗いもの。今がドン底だと思っているのであれば、夜明けはもうすぐそこかもしれません。

3. “6割できれば100点”

僕自身、「日本の皆が驚くような成果を出してやる!」と超意気込んで駐在を開始していました。120%のパフォーマンスを発揮するという理想を抱える一方、現実は50~60%程しか実力が出せず、そのギャップから自己嫌悪に陥りました。

しかし、今振り返ると自分を苦しめていたのは自分自身だったと分かりました。当時の僕は、自分に重荷を背負わせ過ぎていたのです。

というのも、冷静に考えてみると駐在初期は日本のペースで仕事ができなくて当たり前です。国も文化背景も言語も異なる環境で、新たな生活を立ち上げながら平行して仕事をするからです。人によっては仕事内容も新しくなりますよね。これだけ複数の変化点がある状態で「日本にいたときの自分」と比べること自体がナンセンスだったのです。

ごみの出し方すら分からない、どれが洗剤でどれが漂白剤かも分からない。そんな文字通り右も左も分からない環境に放り込まれた人が、母国にいる時と同じように仕事できる訳がないんです。もし皆さんが当時の僕のようになっているとしたら、どうか自分を追い込みすぎないでください。

駐在したての1年間は、日本にいた時の6割できれば100点です。

1年ほど経った時点で日本と同等のパフォーマンスが発揮できれば十分なので、ゆっくり時間を使って慣れていけば大丈夫です。心身の健康第一で、気負い過ぎずにいきましょうね。

まとめ:どうしてもつらければ帰任もあり

駐在がつらい、帰りたいと思い悩む皆さんに今回お伝えしたことは以下の3つでした。

✓この記事でお伝えした3つのメッセージ

  • 学者も認める、つらい時期は誰しもが通る道。自分を責める必要はありません。
  • 頑張り屋ほどつらいもの。でもそんな方でもきっと適応できます。
  • 6割できれば100点。自分で自分を追い込み過ぎないでください。

僕自身はこの3つの考え方に出会ったことによって、うつ病ぎりぎりのところで救われましたが、読者の皆さんの中にはこの考え方を知ってもまだつらいという方もいるかもしれません。

どうしてもつらいという方は、会社に相談して帰任することや、退職することもぜひ真剣に検討してみてください。

「この先のキャリアが途絶えてしまう」という心配はあるかと思いますが、あなたがいま心身を壊してしまったら、キャリア以前に人生が台無しになってしまう可能性があります。そうなれば元も子もありません。

僕の会社には家族帯同で駐在したものの、心身の不調により1年未満で途中帰任した方もいますが、その方は半年ほど休職した後に元いた部署にて職場復帰していますし、降格などもしていません。

ぜひご自身とご家族の心身の健康を第一に考えて、最適な判断をしてくださいね。

皆さんの駐在生活あるいは人生が素敵なものになりますように。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

以上、マルコ(@marcomarco0126)でした!

タイトルとURLをコピーしました