10のステップで確率を上げろ!海外駐在員へのロードマップ〜前編〜

海外駐在員になるには
海外駐在員になるには

こんにちは!日系メーカーからイタリアへ駐在中のマルコです。

実は以前、僕がnoteにて日系メーカー海外駐在員の待遇を大暴露したところ、予想外にプチバズりしました。

有料部分を購入して下さり、僕の生々しいお給料明細をご覧になった方も少なくありません。

さて、このnoteを読んでいただいた方の中には駐在員の高待遇に魅力を感じ、「なってみたいかも!」と思った方もいらっしゃるかと思います。またnoteを読んでいなくても、本記事にたどり着いている皆さんは海外駐在員になりたいという思いを持っていらっしゃることと想像します。

僕がTwitter上で実施したアンケートでも、回答者129人の内約83%の方が駐在に対して興味を持っていることが分かります。

でも「駐在はしたいんだけど、何から手をつけていいのか分からない…」とか「どうせ自分には無理だ…」と思っていませんか?

そうですよね、、、他でもない僕も同じ悩みを持っていました。

今回の記事では海外駐在員を目指す皆さんに向けて、現役駐在員のマルコの実経験を踏まえた海外駐在の確率を上げるための10のステップについてご紹介していきたいと思います

それでは早速いってみましょう!

はじめに

さて、これから皆さんには海外駐在を実現するための具体的ロードマップをお示ししたいと思います。

とは言っても確実に大金を手にする方法がないのと同様、100%駐在員になれる方法も存在しません。会社の人事異動である以上、外的要因に大きく左右されます。残念ながらこれが現実です。

しかし100%の方法はなくとも、可能性を100%に近づけるための方法ならあります。これから海外駐在に興味を持つあなたがそのチャンスを掴む可能性を最大化するための具体的な10のステップについて一緒に見ていきましょう!

海外駐在の確率を上げる10のステップ 〜前半〜

1. 留学する

(おいおいいきなりそれはやめてくれよ、もう遅いよ、、という社会人の皆さんはステップ3まで読み飛ばしていただいても結構です)

海外駐在員になる人にとって、海外経験はどうしても外せません。

海外経験がない人が駐在員にいきなり選ばれることは残念ながら非常に稀です。少なくとも僕は聞いたことがありません。

海外経験というのは自転車に乗ることや泳ぐことと似ていて、経験の有無が非常に大きい差として表れるものだと個人的には思います。

これは語学の問題だけではなく、異文化を持つ人間とコミュニケーションを取る術を知っているか否かの問題です

あなたは欧米人相手でも元気に挨拶できますか?全く言葉が通じない相手と身振り手振りでコミュニケーションを取ることができますか?こういったことが海外で活躍するには重要です。

(残念ながら海外経験があってもこうした素養がない駐在員がいるのも事実ですが、そういった人は現地で本社が思うようなパフォーマンスを発揮できていないはずです)

話を戻すと、もしあなたがまだ学生で、将来海外駐在員を目指しているのであれば少なくとも半年以上海外留学をすることをおすすめします。既に社会人になっちゃってるよ!という方も、転職時にギャップタイムをあえて作って数週間だけでも留学してみたり、会社の海外語学研修制度の活用を検討してみてください。

海外に実際に住んでみることで広がる視野や得られる経験というのは、仕事をする上で間違いなく役に立ちます。「留学経験あり」という事実ももちろん海外駐在を勝ち取る上で有利に働くかもしれませんが、それ以上に海外生活の中で得られたスキルセットを持っているということが海外駐在を手繰り寄せることに繋がります

なお、1点強調しておきたいのは、留学と一口に言っても単に外国の学校に行くだけが留学じゃないということです。以下のように広義の留学にはいろいろな種類があるので、どんな形であれとにかく実績として海外経験を積むことが重要です。

  • 交換留学
  • 語学留学
  • バックパッカー
  • ワーキングホリデー

現地の学生と生活・勉学を共にし、深く関わることができるという意味で個人的には交換留学を推します。多種多様な文化に触れることができ、旅先で起きる様々なトラブルへの対応力がつくという意味で僕の中ではバックパッカーが次点です。

相当な精神力がないと結局日本人ばかりで連んでしまうことになる人気都市への語学留学や、就ける仕事が限られるため経験の幅が広がりにくい可能性があるワーホリは、海外駐在員を目指すという脈絡においてはあまりおすすめできません。

もちろん語学留学やワーホリは人生において素敵な経験・学びになることは間違いないですので、これを否定するつもりは全くないです。

2. 海外駐在員比率が高い企業に入る

次は会社選びの段階です。ここでは2つの戦略が考えられます。

  1. 既に海外でのビジネスが多い企業に入って駐在員になる
  2. これから海外進出を目指す企業に入って駐在員になる

僕は2.をおすすめしません。何故なら2.の選択肢は枠が生まれる保証がない上に、もしチャンスを掴んで駐在することになっても会社としての制度が整っておらず駐在員が割りを食う可能性があるからです。

既に駐在員を多く抱えている企業の方が処遇制度が用意されており、安心して海外赴任できる環境が整っています。

ということで海外駐在員の比率が既に高い企業に入ることを目指しましょう。既に社会人の方は転職でこうした企業を狙いましょう。

さて、具体的な企業名についてはこちらをご覧ください。

出所)「海外勤務者が多い」トップ200社ランキング(東洋経済2018年)を参考に筆者作成。
同ランキングトップ50社のうち、駐在員比率の高かった30社をランキング化。
ちなみにメガバンで唯一情報開示のあった三井住友銀行は3.7%で35位

上記以外に、こちらのサイトに記載の企業も有力候補です。

キャリハイ転職 -海外勤務できる人気企業一覧!日系メーカー海外駐在員のインタビューも掲載-

上記のランキングとサイトを見ていただければ判ると思いますが、海外駐在を目指すのであれば狙うは商社かメーカーです。

JETROやJICAといった特殊なケースを除きますが、総合商社であれば5人に1人、グローバルメーカーであれば8〜10人に1人が海外駐在できるということになります。

ちなみにこれらの比率を計算するに当たっては一般職や現場三交代の方々も分母に入っています。分母を総合職に絞った場合の実際の駐在員比率は(特にメーカーは)もっと高くなります。

3. 海外売上比率が高い部署で働く

さて、海外駐在員比率が高い会社に入れたら、次は部署、担当商材についても考えてみましょう。

当然ですが、その部署や担当商材の海外売上比率が高ければ高いほど、そしてそのビジネスが成長曲線にあればあるほど駐在のチャンスは広がります。既に赴任している駐在員の後任となるケースもあれば、新規拠点立ち上げで新たにポストが生まれることもあります。

海外売上比率が高い部署で働くこと、そういった商材に関わることができれば海外駐在の可能性は一気に上がります。

しかしそうしたグローバル部署で働くことは「駐在のポストが多くあること」以外にも重要な意味があります。それは海外経験を積むことができるということです。

日々外国人と英語を使ってビジネスを行うということは、言わば海外駐在の予行練習です。日本国内でもこうした経験を踏まずに海外駐在はまず無いと言えるでしょう。

この間に日々の業務や海外出張を通してビジネス英語(ライティング、リーディング、リスニング、スピーキング)や海外の商習慣をみっちり勉強しておくことが重要です。

また、これは特にそれまでに留学経験、海外経験がない人にとって非常に重要な意味を持ちます。ここでしっかりとビジネスにおける海外経験を積むことができれば、留学経験なしというビハインドを乗り越えることができますし、もし仮に今の部署で駐在が叶わなくても今後の可能性をグッと引き上げる要素になります。

一方で、もしあなたが今100%ドメスティックな仕事をしているのであれば、残念ながらあなたはまだ海外駐在の5歩手前です

まずは海外と接点のある部署への異動を実現させるか、今の部署内で海外と接点を持てる仕事をさせてもらいましょう。

幸い現代ビジネスに於いては外国と全く関わらない仕事を探す方が難しい状況です。あなた次第で今の部署でも何かしらの実務経験を積むことはできると思うので、小さなことからでも積極的に自ら手を上げてチャンスを掴むようにしてみて下さい。

4. 海外駐在しやすい職種に就く

海外駐在のしやすさは職種によっても左右されます。事務系、技術系それぞれ見てみましょう。

海外駐在しやすい職種/事務系
  • 営業(売り子というよりは経営やマーケを含めた事務系総合管理職として)
  • 経理(会計のスペシャリストとして)
  • 経営企画(M&A案件の先鋒として)
海外駐在しやすい職種/技術系
  • 製造(現地での生産技術確立、安定生産の指導役として)
  • 品質管理・品質保証(現地での品質管理・保証の指導役として)
  • 設備技術(工場増設・新設備導入時の立ち上げ部隊として)

メーカー、商社などの業種にかかわらず、駐在先になるのは基本的に①販社やアドミ機能を集約した統括拠点などの海外事務所 or ②生産拠点のどちらかです。大手企業の場合、グループ会社も含めると②の生産拠点数は①の海外事務所に比べて圧倒的に多くなります。

事務系の上記職種は①・②共にポストがあるため、技術系の上記職種については②に複数人派遣されることもあるため、海外駐在できる可能性が高いと言えます。

一方で人事や法務などのコーポレート系職種は残念ながら他の職種に比べるとチャンスが多くはないです。理由はポスト数の少なさ。こうした職種の場合、基本的に各リジョンの統括拠点に1人いればいいので、社員数数万人のグローバル日系企業であっても北米、欧州、東アジア、東南アジア、南アジア、その他に一人ずつの計5~6人程度というのが相場です。

このように職種によってポスト数に大きな差があるため、社内で職種を跨いだ異動が可能な方はそちらを検討してみることも一案かもしれません。

5. 資格(客観的根拠)を取る

月並みですが資格を取るということも有効です。

自分が海外駐在するに値する人間であるということを証明するには、客観的に定量化できる資格がやはり欠かせません。具体的には以下の資格がおすすめです。

おすすめの資格
  • TOEIC(できれば800以上)
  • 簿記2級
  • USCPA
  • 中小企業診断士
  • HSK 5級
  • その他言語系の資格

やはり英語は海外駐在員にとって欠かせません。TOEICの点が高いことと英語が話せることは必ずしも一致しませんが、TOEICを使ってあなたの英語力を定量化するということは非常に大切です。

あなたが帰国子女でネイティブレベルに話せるということであれば今からわざわざTOEICを取る必要性は高くありませんが、多くの人にとってはTOEIC高得点は必須とも言えるものです。

直前でもできるTOEICの得点UP対策については、ロバート・ヒルキの「TOEICテスト直前の技術」がめちゃくちゃおススメです。僕はこれを3周勉強したら700点から920点まで得点がUPしました。

基本的なボキャブラの学習については、金フレという愛称でおなじみの「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ 」がおススメです。

ただやはり実際に話せないと実際に駐在した時に困ってしまうので、英会話への心理的ハードルがある方はこちらの記事も読んでみてください。

その他、数字・言語周りの資格というのは持っていて損はないでしょう。ただ、資格を取ることがいつの間にか目的化してしまって本来の目的を見失うことがないようくれぐれもお気をつけください!

なお、資格以外にも実務経験や研修なども立派な客観的根拠となるので、積極的に受講したり、これまでの業務・研修受講履歴を定期的に棚卸しして整理しておくと良いでしょう。

僕の場合は海外営業経験や、英語での契約締結経験、各種研修受講歴など、材料として提示ができるものは漏らさず社内版職務経歴書のようなものに記入していました。

サラリーマンをしていると、考課面談やキャリア面談などで上司や人事と話す機会が年に数回ありますよね。ぜひその際に見せるようにしてみてください。

前半まとめ

ここまでが海外駐在員へのロードマップ前半でした。

どんな理由で目指すにせよ、海外駐在は人生にとって非常に貴重な学びと刺激の期間になることは間違いありません。

諦めず努力し続けれて、あなたも駐在員の切符を勝ち取りましょう!

この記事を読んで駐在熱が上がった方はぜひその勢いのままこちらの記事も読んでみてくださいね!

既に読んだよ!という方は続いて海外駐在員へのロードマップ後編でお会いしましょう!

以上、マルコでした!

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